「・・・・先輩っ!ちょっとお話があるんですけど、いいですか?」


部活が始まる前の、ちょっとしたフリートークタイム。

晴奈先輩たちと話している亜希先輩に俺のほうから声をかけた。

一瞬、静かになる晴奈先輩たち。

亜希先輩を見たり俺を見たりと、目だけは忙しそうだったけど。


「・・・・あ、うん。いいよ。じゃあ向こうのほうで話そっか」

「はいっ!お願いしまっス!!」


先輩が指差したのは、体育館のステージ脇の用具室だった。

先を歩く先輩の背中を見上げながら、俺もトコトコ歩いていく。

背中には、晴奈先輩たちの好奇の視線が痛いくらいに感じられた。


「・・・・あの、話って何かな?」


用具室に入った先輩は、近くにあった跳び箱に背中を預けて、いくぶんモジモジした感じで聞いた。

こういう先輩を見るのは初めだった俺は、あまりのかわいさに思わず言葉を忘れそうになる。

ヤバい。ホントにかわいい・・・・。


「あの・・・・ハチ?」

「ああっ!はいっ!! ・・・・その、告白のことなんですけどっ!」