俺はいいんだ、俺は。

もちろん先輩が大好きだし、つき合えたらこれほど嬉しいことはないし、恋のパワーでコンプレックスなんて吹き飛ぶし。

チビでもなんでも男は男、全力で守りたいと思っている。


ただ・・・・ね。

いいのかな、っていまだに思う。

女々しいのかな、俺って。





───*。゚


そんな気持ちを抱えたまま、気づけば部活の時間になっていた。

今日は北村も絡んでこない、今のうちにさっさと行ってしまおう。


それに、こうして悩んでいたって何も始まらないし先輩の本当の気持ちも分からない。

俺の強みは、先輩のためならとことんバカになれるところだ。

俺の気持ちを正直に言って、先輩の気持ちもちゃんと聞いて。

それからだ。


「・・・・おしっ!」


と1発気合いの掛け声をかけて、いざ部活へ向かう。


「やっぱり先輩、お前に告白したんだと思うぞー。相手間違えたんじゃないと思うぞー」


背中のほうで何か北村がしゃべる声が聞こえたけど、そのときの俺には耳に入らなかった。