それから俺は、何周も回り続ける北村に悩まされてしまった。

見なかったことにしようか、それとも的確に突っ込もうか・・・・。

真剣な顔はそれだけ考えてくれているってことだけど、どうもそのグルグル回るのが気持ち悪い。


───キーン コーン
   カーン コーン・・・・


結局、悩んでいる間に10分休憩は終わってしまって、北村は何事もなかったように真っ直ぐ歩いて自分の席に帰っていった。

・・・・なんだアイツ。マジで。

口の中には、さっき食べたチロルチョコの甘ったるい味がいつまでも残っていた。










あんな北村にはちっとも期待できないと思った俺は、それからは1人でずっと考えた。

期末テストも近いというのに授業そっちのけで・・・・。


でもやっぱり、先輩がどうして俺を選んだのかが分からない。

俺は先輩よりチビで、それは中学のときにフラレたという苦い思い出と似ていて。

自分よりチビな彼氏で先輩はいいんだろうか、恥ずかしい思いとかしないんだろうか・・・・って、どうしても考えてしまった。