でも結局、俺を励ましてくれたときの熱い北村を思い出して、言う義理はあるよなと思い直した。


「俺は約束を守る男だゼ!」

「そうか、なら言うけど・・・・」

「お、おう」


ちょいちょい、と北村をこっちに招いて、内緒話の体勢をとる。

この雰囲気から何か感じ取ったのか、いつもは普通のときでもデカい声をひそめる北村。

俺は、小さく深呼吸をしてから意を決して口を開いた。


「・・・・告白、された」

「告白!?」

「そうなんだよ。でもさ、どうもおかしいんだ。先輩は男バスのヤツが好きなはずで、それをたまたま聞いたこともあったのに」

「はあ・・・・」

「それなのに“俺”っておかしいだろ? 先輩、相手間違えて告白したんじゃないかって思ったり。・・・・よく分かんねーんだ」


そこまで言うと、北村は窮屈そうにかがめていた背中を伸ばした。

そして、探偵さながらのポーズをとって頷きながら、その場をグルグル回りはじめる。

・・・・なんだコイツ。気持ち悪っ。


「・・・・」


言葉も出ないゼ。