でも、まいっか。

どうしても見たいワケでもないしバスに乗るときに必然的に見ることになるし・・・・と、そんなことを思う。


すると───・・。


「今の風ってなんだろ? ちっこい竜巻みたいなもんなのかな」


聞き覚えのある声にハッと顔を上げれば、目の前には帰ったはずの亜希先輩が・・・・!!

な、なんでまたここに?


「ね、ハチはどう思う?」


つーか、気づいていたんなら声をかけてほしかったっスよ!

心臓が口から飛び出るんじゃないかと思いましたっスよ!

変な日本語は仕方ないっス・・・・。


「なな、なんでっ!?」

「ん? ハチに用事があってね。ずいぶんここで待ってたんだよ? 靴はまだあったから学校にいると思ったんだけど、どこ探していいか分かんなくて」

「用事ってそんな・・・・。呼んだらすぐに駆けつけますからって言ったじゃないっスか、俺!」

「ああ!ごめん、忘れてた!」


忘れてたってサ。

そんなに明るく言われたら、かえってヒーローの影が薄くなるような気がしてくる・・・・。