「だから、別にした方がいい?って聞いたのに」


すまなそうに美空は眉を下げる。


―――あたし、目覚ましじゃないと時間に起きれないの。


そう、昨日の夜に言われた。
だから、迷惑になるから別の部屋を貸してほしいと言う美空に俺は拒否した。


―――別に、目覚ましなんか気にしない。


と。
仕事以外は片時も離れたくなかったから。


「気にするな……目覚ましの音を初めて聞いたから驚いただけだ」

「初めて!?」

「必要ないからな」


ふぁ、と欠伸をひとつして俺も起き上がる。時間を見るとまだ5時前………二時間しか寝てないな。


「やっぱり、別の部屋が……」


龍さん、眠そう。と美空は心配そうに下から覗き込んできた。