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ジリリリリッと聞こえてくるはずのないものの音に俺は目を覚ます。


「んぅ~」


音がする方を見ると、美空がそれに手を伸ばして止めているところだった。


「ふぁぁっ」


口を隠しながら欠伸をひとつして空いている方の手を天井に向かって突き上げる。


そうか………今日から学校だったな。


「ん゛ん゛、………あ、龍さんおはよー」


隣で寝ていた俺が起きているのに気付いた美空はへらっと笑う。


「あぁ……」


おはよう、と小さく返すと、美空は目をパチパチと数回瞬かせる。


「もしかして、朝は苦手?」

「………得意ではない」


いつも目覚ましなんか使わずにある時間になったら自然と目を覚ましていた。
だから、不自然な目覚めに体はまだ眠ったままだ。