それでも、何だかホッとした。


「………そうか」

「うん」


少女は、頷く。


「…………さっきの歌は」

「歌?……あ、やっぱり聞いちゃった?」


てへっと照れたように笑う少女に、何の曲だったのかと聞いてみると、自分で作った、と言う。


「自分で?」

「うん。恥ずかしいな………あんな下手な歌……」


下手?否、物凄く綺麗な歌だった。


「………良い、歌だった」

「!」


少女は、ハッと顔を上げて、俺を見る。


「本当に?」

「あぁ……」


本当の事なので頷くと、少女は照れて頬を人差し指で軽く掻きながら、ありがとう、と嬉しそうに言った。