「とりあえず、応急処置」


少女によって固定された肩は、止血されたのか血の広がりは止まったようだ。


完璧だった。


俺はまじまじと少女を見た。
細いからだに大きな黒目。こんなものに無縁そうでか弱そうに見えるが、思った以上に肝が据わっているようだ。


「………悪いな」

「?」

「手当て」

「どういたしまして」


ふわっと少女は笑った。


「お前………怖くないのか」


屈託のない笑みを向けられたのは初めてだった俺は、思わず聞いてしまう。