「今のは?」
「ん?まぁ、俺の部下みたいなものだ。もう少し待ってな」
すぐに飯持ってきてもらうからと言うと美空は、眉を垂らした。
「なんか悪いことした」
「何を言う。」
「だって私は偉くもなんともない」
何の取り柄もない、借金まみれだったただの高校生。
そんなに自分を卑下に扱わなくてもいいのにと俺は思う。
美空は、取り柄のない高校生じゃない。俺に笑いかけてくれた、怖がらなかったただ一人の女なのに………
「………お前が、気にすることじゃない」
「龍さん……」
「何も考えず、ここにいればいいんだ」
どんな言葉を言えばいいのかわからないが、それだけは確かなこと。
ほかの誰がなんと言おうとも、俺がそう決めたら反対する奴なんかいない。