「俺としては直ぐに排除したかったんだけどさ………」
チラッと美空の方を見た。
「この子、迷ってたんだよ」
「迷っていた?」
「そ。偽の情報で操られてここに来て………情報と食い違いがあって戸惑った」
一つ一つの行動に本当にいいのだろうか、と迷いながらそれでも両親の仇だと自分に言い聞かせながらやってきた。
それと共に芽生え始めたある感情に気づかない振りをしていた。
「この子、学校にいる間ほとんどパソコンに向かっていた」
護衛するために入らせてもらったけど本当は排除する機会を伺っていたんだ。
その時はまだ若には必要はないと思っていたし。
若が想いを寄せる少女、勘違いで若に害を為す、排除しなければならない―――でも。