「じゃあ俺はこれ処理してくる」

「あぁ………」

「まぁ、及第点だよ」


くるりと自分の倍はあるだろう奴を肩に担ぎ向きを変えた澪は呟く。


「せっかく俺の獲物にしようと思ったのになぁ」


ため息をつきながら澪は軽々と持ちながらしっかりとした足取りで歩き出す。


とりあえず、優先事項からだ。


澪には色々と聞きたいことがあるのだが、美空の容態も気になる。


俺は、歩いていく澪の背中を一瞥してから、炯が待たせていたのだろう、車へ歩き出した。






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室内が白一色に統一された病院。病院なんて何時ぶりか、いつも怪我をしたら山じぃに来てもらっていたから病院というものは程遠いものだった。