うん、と澪は頷く。
「いつか言ったよね。この子は認めないって。」
若にはいらない、排除する。
確かにそう言っていた記憶がある。
「全部、俺知ってたんだ」
「何?」
「この子が何をしていたか」
澪は笑みを消して、冷たい目で美空を見る。
「な、んだと……?」
ふつふつと怒りが込み上げる。
知っていた?なら何故、言わなかった?何故、止めなかったんだ?
「若が気づかなきゃ意味がない」
途中からは薄々気づいていたみたいだけど気づかない振りをしていたでしょう?
「………」
「今の若はいくら俺とか炯達が言ったってこの子を側に置くって聞かないから………この子に直接言ったんだよ」
「何て言った?」
「難しいことじゃないよ――――でもそれを言う前に」
澪は言葉を伐ると、俺達に背中を向けて死んでいる東組組長に近づいた。