そんなことはどうでも良くて、もし澪がいなければ今頃美空は………と考えると心臓が冷えた。


「助かった」

「うん。危機一髪だったね」


拳銃を俺に渡し、澪は、美空を挟んで俺の向かい側に座り込んだ。


「全く、馬鹿なことをしてくれたねー」

「………澪」

「俺は別にそんなことまでしろとは言わなかったのに」


クスクス笑いながら澪は美空の顔を覗き込む。俺は、澪から美空を守るように抱き抱え、澪を睨んだ。


「何だと?」


今、何て言った?


「何が?」

「お前………美空に何を言ったんだ」


殺気を込めて睨む。
しかし、澪はケロリとしながら他人事のように言った。


「何をって、けじめつけて、て言っただけだよ?」

「けじめ、だと?」