「一つだけ、訂正したいことがあるんだ」


薄く笑う。


「一つだけ………龍さんに近づいたのは故意だったけど……一番最初、ここで会ったあの日の言葉は、嘘じゃないよ?」


ゆっくりと美空の腕が上がっていく。
拳銃を持っている、右手が。


「なっ美空!!」

「来ないで!!」


慌てて駆け出そうとしていた俺を美空が大声で止める。


ゴリッとこめかみに銃口を押し付けた。


「っ……やめろ、美空」


首を傾け、これでもかと強くこめかみに銃口を押し付ける美空に、俺は背中に冷たいものが走る。


「美空さん。俺は、別に神賀については貴女に何も感じてません」


貴女が責任を感じる必要はないんです。


炯も美空を説得しようとする。