「せめて償いに、東組の情報全て来栖組のパソコンに、移しておいた」
これで償えるとは思っていないけど。
美空は、拳銃に向けていた顔をあげ、俺を見た後、俺の背後にいる炯に目を向けた。
「炯さん……神賀の事、ごめんなさい」
「美空さん……」
「大切な場所なのに……」
あたしは……
「美空、もういい。もういいから」
謝ってばかりの美空がだんだん遠くなっていくように思えてならない。
俺は手を伸ばす。
「美空、銃を捨ててこっちに来い」
「………」
「美空?」
俺の言葉に美空は、一歩後ろに下がった。
首を振り、そして笑った。
「ねぇ……龍さん」
「なんだ?」
ジリジリと俺は美空との距離を縮めようと動く。
嫌な予感がとまらない。