二つ返事で頷いたあたしに奴はニヤリと笑ったんだ。


――――君の両親を殺したのは……来栖組若頭、来栖 龍

――――来栖……龍……

――――そう、それで手伝って欲しいことだけど……


「でもあたしだって馬鹿じゃない。それが真実かどうか調べた……」


パソコンであらゆる所から情報を引き出して、それを張り合わせて、来栖龍が犯人だと断定………その結果が偽りだった。


「それに気づかなかったあたしは、奴の言う通りに働いてきた」


来栖龍に復讐するためだけに。


「でも、龍さんと居るようになってから………おかしいと気付いてしまった」


何がおかしいんじゃなく、全部がおかしかった。
でもそれを認めたくなくてあたしは気づかないふりをしていた。