二人が死ぬ前の朝、笑顔で見送ったのに、帰ってきた時は氷のように冷たくなっていた。
自殺とかじゃなく明らかな殺人。
「その時は、二人の死を受け入れたくなくて泣いてばかりいた」
思えばそこに漬け込まれてしまった。
――――お父さんとお母さんを殺した奴、知りたくない?
火葬場で燃えていく二人を外で呆然と煙突を眺めていた時に話しかけてきたのが、東組組長だった。
「奴は、犯人を知ってると言った。勿論あたしはその話に飛び付いた。」
―――――誰が殺したか知ってるんですか!?
奴に飛び掛かるようにすがり付く。
―――――知ってるよ
教えてあげようか?その代わり、手伝って欲しいことがあるんだけど。
その時は犯人がわかるなら何でも良かった。