その先には、煙を出す拳銃を構えている美空の姿が映っていた。
咄嗟に地面に落ちていた俺の拳銃を拾い迷うことなく奴を撃った。
「おま……うらぎ……」
「先に裏切ったのはそっち………否、最初からだったわね」
「チッ……気づいたか……」
「まんまと騙された………仇はあんただった………っ」
俺に背中を向けているから今どんな顔をしているのかは分からない。
しかし、その背中は憎悪を漂わせていた。
「若っ大丈夫ですかっ」
駆け寄ってきた炯や他の連中に手をあげて制止し、俺は美空の背中を見つめた。
「フッ……簡単に騙される方が……」
ガクッと奴が方膝を付き、ゲホッと口から血の塊を吐き出した。
「そう……騙されたあたしも悪い…」
取り返しのつかないことをしてしまうところだった。