「その情報を漏らしたのはこの子」


ついでに偽の情報も全部。


「全部、俺の仕込み」


それは、どこからが仕込みか。


「最初から全部だよ」


まるで俺の心を読んだかのように美空が口を開く。


「借金取りに殴られて貴方に助けられた………あれから全部」


本当は借金なんてなかったんだよ。


「両親が借金したのも、逃げたのも………全部嘘」


フッと美空が笑う。
それは俺が今まで見たことのない歪んだ笑みだった。


「………嘘?」

「そう。あたしを調べたでしょ?あの情報も嘘」


全部あたしの作った偽のもの。
偽のものを本物にするなんてあたしには簡単なこと。


「何故だ、何故………」


こんなことをした?