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「………はぁ」
「溜め息をつかないでください」
俺の隣で作業をしている炯に睨まれる。
移動中の車の中。
今日も美空は、一言も話してはくれなかった。唯一話したのは車を降りる前のいってきますだけ。
何故か意味深な視線を向けられたのは気のせいだろうか。
「ため息くらいいいだろう」
「若が悪いんでしょう」
「………」
ゆっくりと移り変わっていく景色を眺めながら、俺は、また溜め息をついた。
俺は、何も悪いことはしていない。
澪のせいだ。
人のせいにしたくはないが、澪のお陰で俺は、自分が更に嫌いになりそうだった。
「美空さんを調べるなんて」
「………」
「最初は私が調べていたのも気に入らなかった様子だったのに」
炯の言葉にまた溜め息を一つ。
「………仕方ないだろ」
「確証が欲しいですからね」
「………」
「東組の件もあります。とりあえずこちらに集中してください」