何に対しての謝罪かは分からないが、美空の閉じられた瞼から一筋の涙が零れた。


「………美空」


その涙に俺は、何故か疑問を抱いた。あの時は、借金取りに憎しみを込めながら否定していたはず。しかし、今、夢の中で何かに謝っている。


それは、俺の浮かんだ事とは全く違う意味かもしれないと言うのに、胸騒ぎがする。


「………まさかな」


フッと笑みを浮かべてから、パソコンの電源を切ろうと向き直った俺は、一通のメールが送られてくる途中の画面が目に入る。

それは送られてくると自動的に開く仕組みとなっているようだ。


……プライベートだが……見てないふりをすればいいか


そう思って、開かれたら未読に戻してから消そうとしていた俺は、開かれたメールに呼吸を忘れてしまった。