「あの子は、若にはいらない」

「何?」

「今すぐ消してしまいたい」


チキッと俺は、澪の額に何時も常備している拳銃を突きつけた。
拳銃を向けられても澪は眉一つ動かさなかった。


「ねぇ若、おかしくない?」

「何が」

「全部だよ、全部」

「?」

「俺はね、若の為なら何でもするよ………そして若に害を為すのは排除する……」


いつも言ってるよね。


「………」

「早く、気付いてよ?じゃなきゃ」


スッと澪の姿が目の前から消えた。驚きもしないで横に目を向けると、澪が立っている。


澪は、俺を見て、にっこりと笑った。


「若の為に………排除しちゃうよ?」

「澪」

「じゃあ、俺は明日の準備があるからー」


そう言うと、澪は姿を消した。
パタンと襖が閉まる音がして、俺は拳銃をおろした。