焦点の合わない目で天井を見つめ、ゆっくりとした動作で顔をこちらに向けた。
「龍さ………」
「美空、どうだ?苦しくないか」
「痛みはあるけど………大丈夫」
弱々しく微笑む美空を抱き締めたくなったが、怪我のことを考えて理性で押し止める。
「………美空」
「あたし………迷惑、かけちゃったね………」
俺の言葉を遮って美空は天井に顔を戻してぼんやりと見つめる。
「迷惑なんかかけていない。むしろ謝るのは俺だ」
危険な目に合わせて、本当にすまない。
「護衛まで付けたのに………」
「龍さんは何も悪くないよ……あたしが、悪かったの」
一人で、行動したから。
「………何故、」
「呼ばれたの。」
「呼ばれた?」
聞き返すと美空は頷いた。