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傷ついた美空を、布団に寝かせると、駆け込んでくるように和也が姿を現した。そして入ってくるなり土下座をする。
「すみませんでした!!」
畳に頭を打ち付ける和也。
「和也、顔を上げろ」
「若っ」
「和也だけが悪いんじゃない」
俺の隣で深く眠っている美空は、傷が熱を持ち始めたのか息が上がっている。
俺は、山じぃを呼ぶように言った。しかし和也は動かない。
俺は、小さく溜め息をついた。
「罠に気付けなかった俺達も同罪だ………気にするな」
「若っ」
「山じぃを呼べ」
「っ……はいっ」
和也は、慌てて部屋を出ていった。
バタバタと足音が遠ざかっていく。
「………美空」
俺は、眠る美空の額に張り付いた髪を避けてやる。