美空に駆け寄り、起き上がらせる。
「美空、美空」
パチパチと頬を軽く叩くと、小さく呻いて美空が目を覚ます。
「ん……龍さ……」
「美空……!!」
俺は、ギュッと美空を抱き締めた。
しかし、あちこちに怪我を負っている事に気づき慌てて離れた。
「美空、大丈夫か……」
「なんとか……ね」
ハハッと乾いた笑みを浮かべる美空に俺は胸が痛んだ。
どうして、こんなにも痛め付けられたのに泣かない?あの日もそうだった。
俺は、美空の体に負担がかからないように横抱きをして立ち上がった。
美空は、力が入らないのかだらんと腕を放り投げたままだった。
「龍さ……」
「なんだ?」
「聞きたいことが、あるの……」
苦痛に顔を歪めながら美空は言葉を紡ぐ。