約束した限り澪が問題を起こすことはないと思う。………多分。
「ならいいですけど………」
「澪より今は仕事だ」
それは後で良い。
目の前の仕事を片付けてからだ。
スッと気を引き締める。
「優斗達は着いているのか」
「既に配置済みです」
後は待つのみです。
「そうか」
俺は、頷いてからまた外に目を向けた。
流れる景色。
「……早く、終わらせるか」
俺は、小さく呟いて、港につくまでずっと外を見ていた。
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緊張感漂う港。
太陽は沈みかけ、空はオレンジ色に染まっている。
俺は、エンジンのかかっていない車の中で苛立ちを隠そうとせず人差し指で窓の下をしきりに叩く。
港についてから既に五時間以上経っている。しかし標的は一向に現れる気配がない。