炯に近寄り横からパソコンを覗き込むと、これを見てください、と炯は指を指す。


「………なんだ、これは……」

「今、入ってきました」

「ふざけてるな」


パソコンに映し出されたのは一つの情報。たった今入ってきたものだ。定期的に一番早く入ってくる情報。
その情報を使い俺達は手を打つ。


「明日、………麻薬取引だと?」


しかも、場所は俺のシマでだ。
朝鮮人と日本人………密輸か。


「どこの奴だ」

「山元組………あそこの連中は」

「俺達と同じ考えだったはずだ」


山元組。
同じ関東を支配しているヤクザの一つで麻薬を嫌う連中だったはずだが………この不景気に金に目が眩んだか。


俺は小さく溜め息をついた。


「若」

「詳しく確認してからだ」