そして、美空に少しだけ仮眠をとるよう寝かせると、俺は美空を起こさないように部屋を出た。
向かうのは竜の間………俺の仕事場だ。


中には炯と賢、優斗に和也……信頼できる連中だ。


「炯、分かったか」

「はい。僅かですが、何者かが侵入した形跡がありました。」

「跡を追えるか?」


すると、炯は眉間に皺を寄せた。


「やってるのですが………相当手慣れてますね」


見つからないようにパソコン内にダミーやらウイルスやら残していってくれたみたいで、お手上げです。


「そうか……」

「幸い、他の情報は流されていないみたいです………あれだけです」

「炯は、そのまま追跡しろ」


どんな小さな手がかりも見逃すな。
炯は、深く頷くとパソコンに体を向けた。