薬をやっていたホステスは勿論クビだ。捕まえたのは、何故薬に手を出したのか理由を聞くためであった。
突然、炯の携帯が鳴り出した。
「すみません」
炯は、俺に背中を向けると携帯を耳に当てる。
「もしもし………密売人見つけた?」
ちらっと俺の方をみた炯に頷き返す。
「それで?……え」
炯は、思わず聞き返していた。それから二、三言言葉を交わした後、俺に向き直る。
「どうだった」
「密売人ですが………こちらも死んでいたそうです」
「何だと?」
「タイミングが、良すぎじゃないですか?」
密売の情報が入って、行動を移したその翌日に密売人とホステスの死体。
「………この情報は、まだ何処にも流れてないはずだよな」
「はい」