炯はすぐに携帯を取り出すと、学校に電話をし始めた。
「じゃあ、優斗は美空と一緒だ」
「はい」
「よろしくねー」
にっこりと笑う美空に優斗は頷く。
「よろしくお願いします」
「なるべく美空の学校生活に支障を来すような真似はしないから」
「うん」
頷く美空に、ただし、と俺は美空を見下ろす。
「一人には、なるな。これだけは守ってくれ」
一人になるのは危険が多すぎる。
友達なり優斗なり和也なり必ず誰かと一緒にいること。
「分かった」
「すまないな」
「また、謝ってる」
「………む」
指摘されて眉間に皺を寄せる。
こういうときは、どんな言葉を選べばいいのだろう。