驚きのあまり足を止めてしまった美空。
屋敷の前には車が止まっていて運転手がドアを開けて待っている。
「美空」
「へ?あ、うん」
美空はハッとして小走りで走ってきた。
「後の話は車の中でな」
車に入るように促すと、美空は素直に車に乗り込んだ。
大人が四人座っても大丈夫な車。
「うわぁ……リムジンとか初めて……」
キョロキョロと珍しそうに車の中を見渡している。
「俺も久々だな」
「?乗らないの?」
「こんなデカイの、邪魔だろ?」
今日は人数が多いからだ、と言うと、成る程ーと返ってきた。
「………で、美空、さっきの話だが」
「あっそう!同じクラスなの?」
思い出したかのように身を乗り出して来る美空を座り直すように言ってから頷く。