「持ちますよ」

「え?いいよ、あたしの荷物だし」

「腕を痛めます」


そう言って二人は殆ど無理矢理美空から荷物を奪った。
腕を痛めるってあたしそんなに軟弱じゃないよ、と剥れる美空に俺は頬を緩めた。


「いいじゃないか。持たせてやれば」

「龍さんもそんなこと言うの?」

「お前は十分強い………そいつ等が持ちたいんだよ」

「?」


首を傾ける美空に俺は、させたいようにさせてやれ、と言うと分かったと頷いた。
それから、あっと何かを思い出したように声をあげる。


「二人は、転校生になるんだよね?」


自分より頭一つ以上に高い和也と優斗を見上げながら美空は尋ねる。


「そうですね」

「恐らく、お嬢と同じクラスかと」


二人が答えると、えっそうなの?と目を見開く。