ベリルが彼を見つけたのは1年ほど前──そしてカーティスに護衛を任せ、王の周りを色々と調べていた。

「我がファンタジアの王ヒュメル6世である。一同、よくやった」

 威厳のある声が王の間に響く。そして、錬金術師をギロリと睨み付けた。

「今後、錬金術は廃止とす……」
「お待ちいただけないか」

 あとに続く言葉をベリルが制止した。

「何か意見でもあるのか」

「錬金術、自体に悪意は無い。やり方を間違っただけだ」

 錬金術の持つ技術は素晴らしいものがある。残しておくべきでは?

「!」

 ベリルの提案に、ドルメックは目を丸くした。

 自分を造り上げた錬金術なのに、それを残すだって?

 むしろ自分を造ったからか? いや、違う……

 彼は、純粋な考えで意見しているんだ。