「! おっ戻ってきた」

 そこにはベリル以外にもう1人……

「「「「!!?」」」」

 マントのフードを外した人物に、一同は心臓が飛び出るほど驚いた。

「こここっこれって!?」

 セシエルは驚きのあまり言葉が上手く出ない。

「これから詳細を話す。協力してもらいたい」

 次の朝──

「……何も全員で行かずとも」

 ベリルが呆れて、後ろからついてくる仲間たちに小さく溜息を吐き出した。

「あの国王にはいい加減、腹が立ってたんだ。ギャフンとなる顔くらい拝ませろよ」

 テイシンがニヤリと笑う。

 ぞろぞろと、吸い込まれるように王宮に入っていく一同たち。

大理石の通路を抜け、豪華な扉の王の間に何度目かの足を踏み入れる。

 玉座まで続く赤い絨毯。

「……」

 そこに座す国王に、ジェイドはフード越しにその瞳を険しくした。