超短期間での卒業を了承する代わりに色々と条件は付けられたようだが、それらを呑む形でサインをしたらしい。

 とはいえ、大学を薦めたあとでこいつの容姿のことを思い出し多少はやばいと思った。

 普通に大学にいたなら、グルーピーが必ず出来ていただろう。

 そこから変な揉め事が起こり、大学全体の騒動にまで発展していたらと思うと怖すぎる。

 そうならなくて良かったと本気で安心した。

 だが──

「もうちょっとのんびりしろよ」

「何をです」

 ベリルは意味がわからず眉を寄せる。

「いや。随分と急いでいるように見えるからよ」

「ああ」

 カイルの言葉の意味を理解し、手入れをしていたライフルをテーブルの脚に立て掛ける。

「そう、ですね」

 どう言えば伝わるだろうかと思案する。