「…わかり…ました。」


そう言い、女は話し始めた。

家出した理由を…



家は金持ち。
幸せな家庭。

だったのに、ある日実の父親に襲われかけた。

服を破かれ肌に触れられ…


気持ち悪くて気持ち悪くて泣きながら止めてと叫んだ。そこに執事が来たから助かったらしい。

そしてその事が母親にバレ、虐められた。所謂、虐待。


居場所が無くなり、家出したと言う。この…誰も寄り付かなそうな屋敷に。



「…ッ…ヒック…」


泣きながら…
話してくれた。流石の俺もかなりの恐怖だと思う。実の父親とか…気持ち悪い…


俺は頭を撫でて


「話してくれて…ありがとう。聞いて…ごめんな?」


と言った。

すると首を横にふるふると振り、


「聞いて…ッくれて…ァ…りがとうございま…す…」

と無理に作った笑顔で言った。