次の日、僕が見たのは


雪の中に倒れ込む君だった。






「霞ちゃんッ!!」





抱き上げた君は、とても冷たくて……



蒼白い唇が震えるように微かに動いて



「先生…………軽くて………空も………飛べ…そう…」


そう言った。


儚くて消えるような笑顔だった。


抱き上げた君から、うなだれるように下がった手首から血が流れて


積もった雪を赤く染めていた。














病室に戻った君がまたいなくなるような気がして目覚めるまでずっと手を握っていた。





こんなに愛おしいのに…

こんなに恋しいのに…


僕には、どうすることも出来ない……


絶望感が僕を支配する。

目の前で静かに眠る君を僕はだた見つめるしか出来ないのか……


悔しかった。


苦しかった。