「霞ちゃん」



そう呼ぶと笑顔で返事を返してくれていたのに


体をビクッと震わせて

おそるおそる振り向き

僕を見ると、ホッとしたように息を吐く。



「…………」



僕が恋した彼女は影も形も無くなっていた。















そしてあの日。



当直医だった僕が見たのは


惣領先生に抱き抱えられて、ぐったりとする君の姿だった。