ただ2人で話すだけで、こんなに時間掛かるなんて、誰も思わないだろうなぁ…
アリスに押され気味の兎木は、それでも自分の意見を曲げようとはしなかった。
騎馬の言った通り、この執事離れそうにないな。 長くなりそう。
さっきから黙って様子をうかがってる恭平の元へ近寄った。


『大丈夫か?』


「うん。なんか、すごい事になってんな?
ただ真実を伝えるだけなのに、アリスと執事がケンカするなんて… 陸の言うとおり、初めから嘘なんかつかなきゃ良かった。」


今にも消えそうな笑顔を無理に作る恭平から、アリスと執事に目を向けた。


『ごめんな、俺がダブルデートしよう。なんて言い出さなきゃこんな事にはならなかったのに…
もっと違う形で伝えられてたかもしんない』


「俺ら、ネガティブ過ぎ!! あ、そういや、ごめんって言ったら友達止めるとか言ってなかったっけ?」


『あぁー言ったかも。
でも、今回はお互い様だろ?!』


「じゃあ、そう言う事にしといてやるよ!!」


やっといつもの恭平が戻り始めたと思ったら、凄い剣幕でアリスが近づいてきた。


「行きましょう!?」


いきなり恭平の手を掴むと、そのまま迷路の丘に入って行ってしまった。