言えないことってなんだろう?

それは
一成さんの会社のこと?

でも、嘘つかないなら
同じ会社なんでしょ?

不安なのに
何も言えなくなってしまう。

私はただ、一成さんを見つめることしか出来なかった。



「それと、嘘は、人を守る嘘もあるんだよ?」

「で、でも…
嘘は嫌。」

「言えないことは、時期が来れば話すよ。」



一成さんはポンポン私の頭を撫でると
苦笑した。

“今は言えない。”

じゃぁ、いつかは言ってくれるって信じていいのかな?

じっと一成さんを見つめていると
一成さんは苦笑し
私の頭を撫でた。



「絶対話すよ。全部、ね。」



しゃがんで私をしたから見つめる一成さん。
最後の一言が気になったけど
でも、私は一成さんを信じてみることにした。