「俺、幸恵さんと結婚したんだよ。」





ニコッて笑って

男は私を見つめた。



あぁ…



お母さん。




なんでこんなのを私に残したのよ!!!




「ね、本当に聞いてないの?」



クゥンと子犬のような目で私を見つめる男。

確かに、母から紹介したい人が居るのとは聞いていたが…
私、てっきりダンディーなおじ様を想像してて…



「…紹介したい人が居るって事ぐらいしか…。」



そう私が言えば
その男の人は少しだけ悲しそうな目を
仏壇に向けた。