隣に住んでいるマオおじさんに教えてもらった。おじさんが言うには、夜の住人の誰かが、夜空用の黒ペンキを零してしまったんだって。
しかも、1億8千年分。それで、そのまま何処かに逃げちゃった。
本当に、無責任って困るよ。
その時、ぼくは、まだ赤ちゃんだったから、何も覚えてない。
物心ついた時から、この真っ黒世界。

瞼の存在が薄れていく、そんな水曜日。