自分の家のドアが、ひどく虚しい。
朝方のぼくの気持ち、何処に行った?
あんなにワクワクして、馬鹿みたいだ。


「・・・ただいま」


疲れきったぼくを出迎えてくれたのは、大きくて丸々としたもの2つ。
湿ってる。


聞かなくても分かる。

お父さん、お母さん。


「2人は、何なの?」

「私たちは、カバよ」


・・・認めたくなかったけど、お母さんだ。


「カバ?」


お父さんとお母さんは、よく似ていて、どっちがどっちか分からなくなる。