「おじさん、ワニなんでしょ?ぼくも・・・ワニなの?」


そう言うと、おじさんは大雨のように笑った。


「違う、違う。お前は、人間だ。たった一人のな」

「えっ?」


今、何て?
たった一人?
ぼくが?
じゃあ、お父さんとお母さんは?


「・・・嘘だ」


ぼくは、おじさんを置いてサミアの家に走った。


何度もぼくの名を呼ぶ声がした。