いけない、いけない。
こんなことじゃ、日が暮れてしまう。
早くサミアの家に行かなくちゃ。

「おーい!」

聞き覚えのある声が、ぼくをターゲットに飛んできた。

声の方向に瞳を動かすと、くすんだ緑色のゴツゴツした生物が居た。

「マオおじさん?」

その生物は、気持ち良く笑顔になって、

「よお!やっぱり、お前だったか!いや~、見ないうちに大きくなったなぁ」

マオおじさんは、岩のような手で、ぼくの髪をクシャっとした。