一応、涼よりは手加減したつもりだ





「…酷い……」





俺を見てそう言う姉崎





殴っただけで酷い、か…





これより酷いことなんてたくさんしたぞ?





依頼人から頼みなら、さんざん苦しめて殺すこともある





…甘い、甘すぎる





「姉崎…靴箱のところで啓汰と姫華が待ってるから、行ってろ」





俺は姉崎をベッドから立たせて保健室から出す





「…大変だな、鋼柳も……





理解してくれない女を好きになったなんて…」





涼が哀れむような視線を投げてくる





「うるせぇ…」





別に…理解してくれないなら隠し通すだけだから





それに、元から仕事について話そうと思ったことは無い