少女は黙って俺をただ見つめる、泣きもせずただじっと見つめ


「何よ…ちゃんと言えるじゃない自分の気持ち」


「自分の気持ち…?」


少女はニコッと笑い俺の手を取り、その手を俺の胸に当てる


「レオナルドの気持ち、ちゃんと嘘つかずに言えたじゃない!!さっきはごめんね酷い事言って」


少女は手を離すとペコッと頭を下げた


「偉いわねメアリ、ちゃんと謝りましたね。レオナルド殿あなたが何故ここにいるか解りました」


背を向け馬車に向かって歩き出し


「とりあえず、あなたの親戚の屋敷に戻りましょう。話はそれからです」


連れて帰られるのかあの屋敷に


またあの人達がいる場所に


俺がうつ向いてると

ギュッと手が握られ、その手の主は少女で

「そんな顔してないでさっさと行くわよ!!レオナルドお母様に任せていいから」

「あっ…えっと君は確か」


「メアリよ!メアリ・チューダ。さっ!行くわよレオ」


握られた手は暖かくこんな小さな少女の手が誰よりも嬉しく…

俺も少女の手を握りしめて一緒に馬車に向かって歩いて行った。