教室中に響く、必要以上に強く開いたドアの音。

音のする方に視線が集まる。

そこに立っていたのは、無造作にセットされている茶色の髪。
制服のズボンを腰パンしていて、耳には数個のシルバーピアス。
眉間にしわを寄せている、明らかに不機嫌そうな男が立っていた。

『なにジロジロ見てんだよ?』

案の定、口調も悪い。

「そっちがうっさい音だすからでしょ?もっと静かにドア開けらんないの?」

あたしが言い返したことで、教室が一気に静まり返った。

『あ?こっちは朝からイライラしてんだよ』
「だからって八つ当たりしてんじゃねえよ。こっちも気分悪くなる。」
『んなこと知らねえよ!お前、女だからって調子のんなよ?』
「はあ?女だからってなめんな」
『てめえいい加減にし・・』