羅那「あんたに惚れない女は変なわけ?」


静磨「変!」


きっぱり言い切る静磨。
冗談かと思ったら顔は冗談を言っているような顔ではない。

羅那「何でよ」


羅那「俺様だから」

羅那は呆気に取られた。
そして溜め息を吐いた。


羅那「訳わかんない。」


羅那が肩を落とすと、静磨ははぁ?と言った。


静磨「俺様はかっこいいし、頭もいいし、運動はマジ得意。女を喜ばすことも得意。みんな惚れるだろ」


おめでたい奴である。
これがナルシストというものか。
羅那は不思議なものを見る目で静磨を見ていた。


《ドラマとかの中だけの生き物だと思ってた…。しかもここまでって、もはや天然記念物じゃない?》


羅那「じゃあ、私も姫も変な人間ね」


静磨「お。百合ちゃんも?」


ひょいと体を傾けて羅那の後ろの百合を見る。


羅那「百合はあんたの言動にフリーズしっぱなしよ」


静磨「マジ変だわ」

はははっと声を出して笑う静磨。

羅那「てか手、放しなさいよ」


持たれっぱなしの手が疲れてきた。